#9. ゆるやかに動き出す、進路のこと

前回は、親である私たちのメンタルケアについて綴りました。

今回は、ネコジローの高校受験にまつわるお話です。


静かな日常のなかで進む、学校の“受験準備モード”

11月も半ばになると、学校は進路に向けた動きが本格化してきます。

希望調査、説明会、三者面談…と、着実に「高校受験」が現実味を帯びてきました。

けれどネコジローはというと、相変わらず昼夜逆転気味で、スマホとゲーム中心の生活。

朝も起きてこれない日が多く、仕事に出かける私たちとは 自然と会話も減っていきました。

学校に関する話題そのものを避けているようだったので、

私たちもなかなか声をかけられずにいました。

三者面談も、学校には行けなかったため、担任の先生が自宅まで来てくださいました。


仲間の存在が、安心感に変わる

先生との面談の中で、「通信制高校やサポート校を選ぶ同級生もいる」と聞いたネコジロー。

その言葉が少し安心材料になったのか、数日後から朝に起きてくる日が増えていきました。

カウンセリングでは、「受験や将来が不安」と話していると聞き、

ああ、やっぱり心のどこかでずっと気にしていたんだな…と改めて感じました。


小さな変化に、静かに心が動く

最終的にネコジローは、普通高校と通信制高校の2校を希望校として進路調査表に記入しました。

この頃から、ほんの少しだけ生活の中にも変化が見えはじめます。

部屋のゴミを自分で捨てたり、脱ぎっぱなしで部屋に放置し続けていた服を洗濯カゴに入れてきたり、

「髪を切りたい」と言ってきたり、「買い物行こうか?」と誘うとついてきたり…。

あまり期待しすぎないように…と自分に言い聞かせながらも、

やっぱりこうした変化には嬉しさを感じてしまいます。

ほんの一歩でも、ネコジローが自分の足で踏み出しているような気がして。


そしてまた、静かになる時間

とはいえ、喜びは長くは続かず…。

年が明けて1月半ばには、再び会話が減り、表情も見えにくくなっていきました。

まるで一度芽を出しかけた種が、また土の中へ戻ってしまったような。

受験の願書だけはどうにか自力で書くことができたけれど

そのまま、ほとんど言葉を交わすことなく迎えた高校受験の日。

私たちの心の中にも、静かに緊張が漂っていました。


次回は、高校受験の結果と、中学校の卒業式について書こうと思います。


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